モン・サン・ミシェル編

モン・サン・ミシェルのことをはじめて知ったのは4年前のことでした。そのときこのブログに書いてました。

 

 

写真を見て心を奪われて、いつか行ってみたいと思い続けていたわけですが、それがついに叶った日です。
フランスへ旅行に来て4日目、パリに来た翌日。パリ発のオプショナルツアーを利用して、この日は朝7時集合に向けて早起き。バスで片道4時間かけてノルマンディー高速道路を駆け抜けていく道のりです。

 

Going to Mont-Saint-Michel


今回乗ったバス。「1号車」と漢字で書いてあるのは、雰囲気をだいなしにするわけではもちろんなくて、日本人専門のツアー会社による、乗り間違いを防ぐための優しさですね。

 


より大きな地図で モンサンミシェル付近 を表示
モンサンミシェル付近。たしかこんなルートをバスは走っていたの図。



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モンサンミシェルの拡大図。いやーあらためてグーグルマップすごいですね。

 


そしていきなりですが、この日いちばん印象に残った場面は実はここから。一日を終えて振り返ったときに、なにが一番印象に残ってたかというと、モンサンミシェルに到着して中に入ったときよりも、到着するまでの道のりの直前のことなんですよね。
パリから高速道路をずーっと3時間以上も走ってきて、近くまで来て高速を降りて一般道を走り出すと、周囲はこんなようなどこまでも広がる真っ平らな風景。雨が降ってて見通しはよくなかったものの、建物はぜんぜん見えなくて地平線の近くまで広野が続いているわけです。

 


で、はっと気がつくとバスの窓の向こうに、遠くにうっすらとこんなものが見えているわけですよ!

 


最初はちいちゃくて薄くて、もしかしてアレがそうなのかな・・・?って半疑問に思っていたものが、バスが走るに連れて徐々に大きく、徐々にはっきりと見えるようになってきて。

 


そしてそれはあまりに尊厳としていて。周りにはほかに建物がほとんどなくて地平線の彼方まで360度見渡せる風景のなかで、この存在はなんとも言い表せないほど、雄大で、強烈だったのです。
今でこそ島の頂上に修道院が建てられているけれど、もともとは中世以前の時代から岩山としてここに存在していたわけで。はるか遠くからでもこれほど強烈に存在感を放つものが、昔の人たちにとってどれだけ畏敬の念で崇拝されていたんだろう、とおもうと全身がぶるっとしました。

 

モン・サン=ミシェル到着!

 


そんなことを考えているうちに、4時間の長いバス移動を終えてようやく到着!

 


ちかくからどーん!広角レンズでも収まりきれないこの大きさ!

 


駐車場のすぐそばが城壁の入り口。ここから頂上を目指して歩いていきます。

 


中に入ってすぐの低層エリアには商店街が並んでいて、いわゆる観光地的な雰囲気。

 


クレープ屋さん。こんなお店もあるような、やっぱり観光化されたストリートですな。日本語表記もやたら多かった。。

 


今回のツアーのなかに昼食が組み込まれていて、連れてかれたお店でモン・サン・ミッシェル名物のオムレツが出てきました。ふんわりとした焼き加減になっていて、まわりにはメレンゲのようなものがぐるっと。味はというと、・・・なんというか微妙。このレストランの中は他にもツアー客だらけでしかも日本人だらけで、うーんこういう店なんだなあ、、、と自分を納得させるワタシ。
グラスに入ってる飲み物はシードルというリンゴを発酵させたお酒で、英訳するとサイダーだ、とガイドさんが言っていてなるほど炭酸が入ってて味わいも似ているけれど、こちらはアルコールも入ってて大人の飲み物。こちらはおいしゅうございました。

 


オムレツだけだとボリュームなくてあまりに物足りないなー、とおもっていた矢先に運ばれてきた2品目。一転してすごい厚みの肉のカタマリ。とても食べきれないほどの量。下に大量に敷いてある野菜が冷凍ベジタブルミックスだったのがちと残念ポイントですが、こちらはまずまずのお味。

 

頂上の修道院


おなかもいっぱいになったところで、ようやく頂上を目指して歩き始めます。けっこう急な階段で、息の上がるひともちらほらいるほど。

 


ひたすら歩きます。修道院エリアのなかに入ると、お店は一切なくてさっきまでの観光地的な雰囲気から一転します。

 


道のりは外階段だけではなくて、途中で屋内を通ったときに、ちょっとした博物館的な部屋がありました。そこに展示されていた、過去のモンサンミッシェルの模型。これは11〜12世紀。頂上に修道院が建立されていたほかには建造物はほとんどなく、山肌を登る山道があったようです。修道院の建築様式も時代によって違うらしく、この時代はロマネスク様式とのこと。

 


これは17-18世紀。島の周囲に城壁が整備されて、山の中腹まで建物がびっしり並んでいます。

 


そして20世紀。島の外へとつながる道路?が整備されて、修道院もすこし建て直しされててっぺんには尖塔が建てられているのがわかりますね。

 


そして最上階。ひらけた広場に出ました。あいにくの小雨ですが景色はただただ絶景。

 


ここのテラスから南側を望む。バスを降りた駐車場と、ここまで走ってきた道路を一望。バスが停まっている道路右側のエリアは、満潮になると海のしたに沈んでしまうそうです。

 


もういっちょ同じテラスの写真。この右側にある入り口に入ると、修道院のメインフロアに進みます。

 

修道院の内部に入る。


大自然の岩山の頂上に作られた建物のなかとは思えないほど、広くて天井の高いおおきな空間がそこにあった。

 


ここは現役の教会(?)として使われていて、毎日ミサが行われているそうです。このときもなにかの法要が行われてました。

 


この教会エリアの真横には、こんな庭園&回廊がありました。教会本体といい、さっきのテラスといい、この庭園といい、山の頂上のはずなのにこんな広い空間があるのは実はものすごいことなんだ、とガイドさんの言葉。元来の山の頂上の高さが教会本堂の床面の高さとしてつくられているらしく、ということはすなわち、山の頂上をけずって平らにしたのではなて、頂上の周囲に石を積み上げて同じ高さの空間を人工的に作り上げた、とのこと。石自体も遠くから運んできて、そしてこの高い山の頂上付近まで運び上げて、こうやって建立したんだとか。

 


この庭園からモンサンミッシェルの頂上がよく見えるよ、といわれてパシャリ。

 


自分だけでなく、ほかのツアー客の方々もパシャリパシャリ。まあよくある光景ですな。

 


建物は大きく3階建てになっていて、徐々に降りながら建物内部をぐるっと観光。なかにはこんな大車輪もありました。いわく、この島が牢獄として使われていた時代に、囚人たちをこのなかに乗せてハツカネズミのように車輪をまわさせて、島の外から運んできた建材の石をロープで引っ張り上げていたらしい。

 


大車輪の目の前にあった窓からの景色。なるほどここから大きな石をなかに運び入れていたわけか。

 

見終わって外へ


ほかにもいろいろ建物内部にはいろんな部屋があって見て回って、ひととおり建物内部の観光が終わって外へ。島の周囲を囲んだ城壁の上にて。周囲は遠浅の干潟になってて泥だらけ。

 


そんななかよく見てみたら、すぐ近くに浮かぶ島をめざして徒歩で干潟のうえを移動するグループを発見。超大変そう。。。

 


そしてまた城壁。このすぐ右側は観光地的メインストリートになっててお店と人で賑わってるのに対して、こちらは人っ気がゼロ。

 


外まで出てきた。雨が強くなってきたなかで全景をパシャ。

 


場所をちょっと変えて、もういちどパシャ。いやーすごい場所だった。

 

 

ということで、モン・サン・ミシェル観光はこれでおしまい。ただただ圧倒的でした。大自然雄大さと、人口建造物の荘厳さの、両方が合わさった、まさに聖地。これ以上はもうコトバではうまく表現できないっす。。。