本読んだ。「任天堂 "驚き"を生む方程式」

任天堂 “驚き”を生む方程式

任天堂 “驚き”を生む方程式

 

面白くて1日で読破してしまった。名著。

 

「ゲーム人口の拡大」を戦略に掲げて、プレステの後塵を拝した10年間を抜けていまや日本を代表する高収益企業に位置する任天堂。成功した今だからこそサクセスストーリーとして語ることができるわけだけど、ここにいたるまでの道筋を想像すると自分も他人事とは思えない。間違っていないビジョン・戦略を描いて示すこと、それを信じてあらゆることを愚直に突き詰めていくこと。その2つのどちらかにでも抜かりがあったら成功には至らない。

 

弱冠22歳のときに社長就任してから50年以上にわたってワンマン的に会社を引っ張ってきた山内前社長。数多くの成功と修羅場を潜り抜けてきた経験から発せられるカリスマ性と直観力。ほんの数年間だけの株主価値向上をミッションにもった雇われ社長とはまったくちがう重み。そんな人の言葉で印象に深く残ったのはこのくだり。努力は継続的にし続けること。

山内は社名に関連して、しばしば「人事を尽くして天命を待つというのは違う。人事は尽くせない。努力は際限ない」と社内外に語っている。だが、「人の力が及ばない運というものはある」とも語っている。つまり、「最後は天が決める。それまで最善を尽くせ」という解釈だ。

 

以前上司だったひとが横井軍平という人をリスペクトしていて、誰それ?って当時は思っていたんだが、任天堂の歴史に大きく刻まれる人だったのね。これまで点と点として認識していたいくつかのことが初めて線でつながった。いま思い返すと、この上司は任天堂イズムを部内に浸透させようとしていたんだなあ。通じるものがたくさん思い起こされますわ。

 

そういえば以前、任天堂の人の結婚式に招待していただいたことを思い出し。上司やら同僚やら職場のひとも何人か来ていて。「笑顔創造企業」を名乗るのが納得できるようなサービス精神あふれる挨拶をしていたのが印象に残っている。

 

あと、マリオの産みの親、と呼ばれる宮本茂氏の経歴。初のデザイナー採用としての任天堂新卒入社だったんですね。はじめはポスターやパッケージなどのデザイン制作をしていたが、ひょんなきっかけでキャラクターデザインする仕事が「絵心がある」って理由で回ってきて、それが大ヒットしたっていうのがマリオシリーズの始まりだとさ。ちょうどウチの会社に半年前入社した、唯一のデザイナーNくんが連想されますな。同じようなサクセスストーリーをこれからゼヒ駆け上がっていただきたい。援護射撃していきまっせ。