「ベンチャー経営の手引き」を見て思い出したバイトのときの話

ちょいと周回遅れな話ですが、総務省が公開している「事業計画作成とベンチャー経営の手引き」って資料が話題になっていたので一通り目を通してみた。パワーポイント200ページ分の大ボリュームだが、記述が具体的で生々しくて、なかなか面白い。
内容は多岐に渡っていて

  • 創業前の事業計画作り、創業前後のタスク、
  • 事業戦略。製品、優位性、継続性、
  • 財務戦略、VC戦略、
  • 組織運営、会議、人材育成、自分の仕事術、

など、いろいろ。

で、とくに人材育成とか組織運営とかのところを読み進めているうちに、学生のときにアルバイト先で新人育成とかチーム運営とかのことを研修受けて、実践も重ねて試行錯誤を繰り返していたなー、なんてことを次々に思い出してきた。今から思い返してもなかなか貴重なノウハウを教えてもらっていたな、と思う。

で、思い出しているうちに、それをなにかどこかに書き留めておきたくなったので、勢いに任せて書いてしまいます。
#ちょっと古い記憶なので多少間違いや他の本で見聞きしたことが混じってるかもだけど。

 

レーニングの手順

というのがあって、新人に仕事を教えるときはこの4段階にしたがって進めると効率がよい、とされていた。

まず、トレーニングを開始する前に、しっかりと準備しておくこと。
教える側の準備。トレーニングする時間のスケジューリング&段取り。このトレーニングの時間で何をトレーニングするのか、トレーニングの時間が終わった時点で何を新たに身に着けていてほしいのか、というゴール設定を、トレーニング開始する前に認識共有させておく。

次に「やってみせる」。
教えたいことを教える。まず自分が実際に作業をやってみせて、同時に、その作業の必要性や、「なぜこのようなやり方をするのか」という理由付けを必ずちゃんと説明をする。理由付けの論拠を筋道立てて説明できると、教えられる側のアタマに記憶が残りやすくなる。いきなり相手にさせてみるのではなく、まず最初に自分がやって見せる、というのがミソ。

そのつぎは「やらせる」。
まずこちらがやって見せたうえで初めて、相手に作業をさせてみる。最初はおぼつかないのが当然なので、急かしたりせずゆっくり見守る。作業の様子を観察する。

そして「評価」。自分が観察した結果をフィードバックする。
ポイントは、悪い点だけではなくて、良い点と悪い点の両方を指摘すること。悪い点は、誤ってたところは正しいやり方を提示しなおす。怒るのではなく、正す。良い点は、やり方が合っていることは「そのやり方でOK!」とちゃんと指摘してあげる。決して無視しない。指摘してあげることで教わる側は自信を持ってそのやり方を身に着けていける。

 

教える側の成果チェック

レーニングの時間を終えたあとで、教えた側・教えられた側にそれぞれアンケートをする。

  • 教えた側には「この時間で相手に教えたこと」を箇条書きで紙に書き出してもらう。
  • 教えられた側には「この時間で教わったこと」を箇条書きで紙に書き出してもらう。

んで、両者の書き出したものが一致していたら、教えたかったことが100%すべて伝わった、ということになる。

これがビックリするくらい一致しない。教えたつもりのことがなにひとつ「教わった」と理解してくれないのよね。教える側としてはめちゃくちゃへこむ。。。いくら自分が一生懸命説明したつもりでも、相手がそれを理解して心に刻みつけてくれないと、それは一方的にしゃべっただけであって教えたことにはならないんだなー、と思い知らせてくれる。
で、ここから、じゃあ自分の伝えたいことをちゃんと伝えるには、と突き詰めていくと、重要なことはしつこいくらい何度も繰り返して説明するとか、今言ったことを繰り返して言ってみて、なんてプチ問答をしたりとか、相手の心に刻みつけるためのテクニックが出てきたりする。

ほか、あと、教えたいことをちゃんと理解させるまでに必要な所用時間、も教える側のパフォーマンス指標として考慮。短時間で教えることができたほうが「教えるスキル」が高いっちゅうわけです。

 

オープンポリシー

周りの人が自分へ話しかけてくれやすいようなオーラを常にまとう、意識すること。
自分はいつでもあなたの話を聞きますよ、気持ちはオープンですよ、ということからオープンポリシーと呼ぶらしい。コミュニケーションのカベをなくす。報告連絡相談がしやすいチーム環境作り。「どうせあの人に話してもしょうがない」「話があるんだけど今忙しそう」などと思われるのと対極。

 

アクティブリスニング

相手の話や考えを聞きだすためのテクニック。
詳細を正確には覚えていないが、適切に相槌を打つ、相手の言ったことを繰り返す、あえて自分は無言を保って相手に次の発言を促す、とかって小技たちをひっくるめたものだったと記憶。

 

リーダーシップとは

「自分がその場にいなくても、自分がいるときと同じパフォーマンスでチームメンバーが仕事をするようにすること」。

部下は目を離していると怠ける、という考え方がこれの背景にある(もともとアルバイト管理がメインなので)。そのためには、自分がチームメンバーに求める仕事の水準をつねに認知させておくこと。いないところで手を抜いたらあとで怒られる・怖い、と思わせること。

自分が学生で就職活動しているときにこの考え方を初めて知って、なるほど、と理解しつつ、でも、最終的に自分が必要とされなくなることがゴール、なんて役回りをすることに自分は働く甲斐を感じられない、それを追求する職務には従事したくない、なんて思った当時(青いねー)。とはいえ自分の就職活動を進めるなかで1つの考え方になった。

 

ポジションパワーとパーソナルパワー

そのひとの肩書き・職位でまわりを従わせるか、その人自身の人間性でまわりをついてこさせるか。
いまこれを書きながらぐぐってみると、パーソナルパワーを持っている人のほうが好ましい、って主張が多く出てくるんだけれど、時と場合によってはポジションパワーも必要で、両方のパワーを身に着けて影響力を出しわけできるのが理想。

 

チェックリスト管理

業務のいたるところにチェックリストがあった。冷凍庫の内部温度を毎朝記録するチェックシート。3時間おきにトイレ見回りをするチェックシート。
ISO9000なんとかが世間の注目を浴びるようになるずっと前から、HACCPとかいう管理手順にのっとった業務システムを積極的に取り入れていて。誰がやってもモレなく同じ手順で作業ができるように、そして作業実体が記録として残ってあとで第三者が見ても状況が理解できるように、こういったチェックリストがいたる場面で活用されていた。
チェックシートが埋められている、ということは業務運営の中でも優先順位が非常に高いものとされていて。チェックシートが埋められていない状態で放置されていたら、そのときの管理責任者を必ず責任追及する、というチーム文化も醸成されていた。

 

 

そんなこんなで、「んで?」といわれてもなにもありません^^; 自分メモでしたー。