ブログと就職活動。もと新卒採用担当者のボヤキ。

もう何年も前から、新卒採用担当をやりながら積極的にブログ検索して志望者のホンネ書き込みを探し出して、こっそりほくそ笑んでいた自分としては一家言ありまくりな話題。

 

ブログが就職の「落とし穴」? ググられる学生たち

昨年日本で就職活動をした男性(27)も、実名で利用していたブログやSNSソーシャルネットワーキングサービス)を匿名に変え、就職活動関連や女性関係など問題のありそうなエントリーは削除した。きっかけは、社会人の先輩に「君のブログは危険だから下げたほうがいい」と言われたためだ。

 

この手の話題のさきがけはみんなの就職活動日記でしょう。このサイトを活用して就職活動をして社会人になった世代が、すでに企業の中に大勢いるわけですよ。しかもみん就って、卒業したあとも何年たってもメルマガを送りつけてくれたりするので、社会人になったあともみん就からメールが来たりすると、つい自社の掲示板を見に行ってしまうわけです。毎年、学生の書き込みで「みん就って人事担当も見てるかもだから気をつけろ」なんて言われてるけど、当然見てますよそりゃ。

就職活動ブログで、○月○日にどこどこの会社に面接に行った、とかって書き込みがあると、採用担当者としては結構な確率でそれが誰なのか特定できちゃいます。ブログの中を見渡すとほぼ間違いなくどこかに、所属している学校学部の名前とか、あるいは直接書いてなくても学校のそばの駅名とかが書いてあったりするので、学生側は身分明かしていないつもりでもバレバレです。

それまでダークサイドなブログを書いていたりして、就職活動始めるタイミングであわててブログをリセットしたとしても、それってイマイチ信頼度が伴わないので、むしろ逆効果な気がします。よく言われる話、ブログサイトの「信頼度」って、ブログやってる期間が長いほど信頼できるものだと感じますからね。へんに大学3年の秋くらいからブログスタートしてて、そこからものすごい勢いでブログ書いてたりすると、ほかに運営しているブログがきっとあるに違いない!と探したくなってしまいマス。

とはいえ。伝統的な大企業のなかには、インターネットが普及するもっと昔の時代から、あらゆる手段をつかって志望者の身辺調査をしてるところもあったりする。だからね、知らないうちに自分の情報がバレている、って意味では、じつは昔とたいして変わってなかったりします。

それから、なにも学生ばっかりが不利な世の中になった、なんて言われているけれど、それはぜんぜん嘘で。だったら学生のほうも、企業側の人事担当者の名前でぐぐってやればいいだけの話。そうすりゃフェアじゃないですか。ミクシィとかで企業担当者を探してみたら、もしかしたらプライベート全開な日記が見つかるかもですよ。あるいは普段の仕事がめちゃくちゃ忙しくて仕事のグチばっかり書いてあったりするかもですよ。ぐへへ。

そのうちちょっとした社会問題にならないかなーとひそかに楽しみにしているのは、企業ってなんだかんだいって、学歴で学生の判断をしちゃってるんですよね。リクナビとかの就活サイトには、企業からのDMが届く機能がありますが、あれって学生によって届く数がおおきく違うはずです。一流大学の人とそうでない人とで、たとえば1ヶ月間で何通DMが届いた?なぁんて就活バトンをやったりしたら、かなりおもしろい結果が出るはず。そのへん、学生同士もオープンに情報交換ができる世の中なので、企業担当者も十分気をつけたほうが良いですよ。

あと、学生と面接日程等の事務連絡をするのにeメールを使うことが多いわけですが、メールの署名に自分サイトのurlを書いている学生がたまにいますね。たいてい、見に行きます。なので、アピールしたいことがある人は、自分のサイトをアピールの場所として有効活用するのが良しです。それこそ、履歴書やエントリーシートなんかよりももっと自由な表現手段で、自己アピールができますよ。今だったらなんでしょうねー、たとえばなにか自分の特技を披露しているムービーでも作って、YouTubeにでもアップしてリンク張っとけば、その企業の方向性とよほど隔たりがないかぎり役員面接くらいまでは行けるのではないでしょうか。

メールといえば、意外と盲点だと思うのが、メールアドレスの名前。大学ドメインのメールアドレスが書いてあるのがいちばん無難でしょう。が、たまに、フリーメール使っててかなりふざけたメアドの人がいたりします。面接してる真っ最中に履歴書ながめてたら、噴き出してしまいそうなメールアドレス書いてあるのを見つけたりすると、笑いこらえるのが大変大変。

そういえば自分が学生のときも、企業から内定を出してもらった時期の前後に、自分がやってたサイトのアクセスログにその企業からのアクセスが残ってたのを覚えてます。企業のなかのひとも、不用意に学生のサイトを見に行ったらバレバレですからね。

 

まあそんなわけで、ブログやSNSといった新しい手段が普及している現在。「webって恐ろしいー」って拒絶するのではなくて、むしろ有効活用できるようにお互いが使いこなしていくのがハッピーなのだと思います。なのでITmedia記事の引き合いに出されているようなはてな近藤さんの主張には大賛成です。つーか今の会社もブログのつながりでメンバーが集結したような縁だし。世の中そういう方向性なんですよ、きっと。

 

(追記)
こんな記事見つけた。映像使って自己PRするのはまだまだ世間様に受け入れられない、、というより内容の問題かな。